会の冒頭に、日本メタデータ協議会・理事長、入鹿山から本カンファレンスのテーマとして「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を選んだ理由が紹介された。
入鹿山の話は、世界時価総額ランキングから始まる。平成の30年で日本企業は著しくランクを落としたようだ。
「平成元年は、日本企業が上位に多数ランクインしていたが、平成30年になるとトヨタの35位が最高で、日本企業は50位までトヨタのみです。今やGAFAやBATといった企業群が世界を席巻しています。21世紀になり、ネットワーク社会の到来でビジネスモデルが変わったことが見て取れます。」
「データが商品やサービスをより強くする仕組みができた。ヒト、モノ、カネからデータへ、データは21世紀の石油とも言えるでしょう。
GoogleやFacebookのコンシューマ向けサービスは無料ですが、彼らはそこから情報を得て、マネタイズしているわけです。このような変革こそ、デジタルトランスフォーメーション・(以降;DX)です。DXはビジネスモデルの大変革を意味します。」
入鹿山は続ける。「データの重要性が増すなか、イノベーションにデータを活用していると回答した企業は、日本は主要25カ国で一番低い位置にいます。対して米国は、新たな技術・製品・サービスの開発にI T予算を活用しています。」
「なぜ日本はデータ活用に消極的なのでしょうか。その理由のひとつは、日本のI T利用は、業務の効率化、コスト削減が主だからで、I Tによる経費削減効果がI T導入の投資額を上回らないと、I Tの導入をおこなわないのです。」
「それでは新たなデータ活用もイノベーションも、起きにくいのではないでしょうか。ぜひ本カンファレンスで、DXの真の意味をご理解いただき、データ活用の重要性を認識していただければと思います。」