祖谷考克・アドビシステムズ「デジタル時代のCXとビジネス変革」《日本メタデータ協議会 第8回オープンカンファレンス レポート》

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「アドビというと、PDF、フォトショップ、イラストレーターという製品が思い浮かぶと思います。アドビ全体としては、企業の皆様のクリエイティブを、制作して、配信して、計測して、マネタイズするというマーケティングの一連の行動をご支援させていただいてます。」

 祖谷氏はアドビそのものの紹介から講演をスタート。アドビとDXの関わりについては「私自身、顧客のDXをサポートする部門を統括しております。企業の経営層の方々と、デジタルを使ってどうやってお客様とより良い関係を作っていくのか、そのDXを実現するロードマップを作るお手伝いをしております。」とのこと。ここで祖谷氏からDXに引っ掛けて、「Ax Bx Cx Dx という流れでお話ししたいと思います」という提案がなされた。

Ax:Adobe Transformatin

「アドビもトランスフォーメーションしています!

 Creative Suiteなどの箱売りのモデルから、クラウドベースのサブスクリプションモデルに移行しました。

 DXで変わったことが2つあります。まずサービスのアジャイル化です。新しい機能を毎月提供できるようになりました。新しい機能でも、悪かったらやめます、良かったら進めますといった形で提供できるようになりました。

 そして会社の意思決定のやり方も大きく変わりました。Adobe.comが入り口になり、ユーザー様の動向がすべてリアルにわかるようになりましたので、これらのデータをもとに、毎週、課題を見つけ、全員が討論してアクションを検討・実行しています。」

 アドビの例に加え、企業トップが行った自社の変革についても紹介があった。

Bx:Business Tranformation

「Best Buy様は、各ブラントのミニショップを用意し、そこにプロの店員を配置して顧客の望むすべてに対応するようにしました。家に帰ってアマゾンを押させない、現場で買ってもらうようにしました。

 また1年365日、訪問ユーザーサポートを行いました。これは大変な手間なのですが、例えば、Netflixを見たいユーザーのために実際に訪問すると、Netflixの問題解決と一緒になんらかの商機があるのもので、そこでもプラスになったそうです。」

Cx:Customer expectation

「今、消費者は、モノではなくコト消費に向かうなど、価値判断が大きく変わってきました。

 今やすべてがオンラインという前提でビジネスを考えるべきかと思います。そんな、書籍もあるぐらいです。

 金融業界に『なぜ、自分たちは変革しなければいけないと考えているのか』と聞いたところ、1番は、お客様の変化についていくために我々も変革が必要と考えているとのこと。つまり“お客様が変わったから、我々も変わるのだ”ということです。

 “デジタル変革=お客様との距離を縮めること”という言葉のように、お客様をより近くに感じて理解をし、より良い体験を早く届けることが、DXのポイントと思います。」

「アドビは、顧客体験マネジメントの必要性を提唱しています。そのためには顧客を理解した上で、パーソナライズされた素晴らしい体験を様々なチャネルで一貫して届ける必要があります。

 アドビとしては、これらにスピーディーに対応できるデジタル人材育成に向けて、Adobe Digital Masters Workshopという育成プログラムを提供しています。」

Dx:Digital Transformation

「大事なのは、Experience です。DXは、デジタルを導入することがゴールではありません。デジタルだからこそ実現できる顧客体験を通じて、お客様に選んでもらいビジネスを大きくする、もしくはお客様と共生していく、それこそがビジネス変革ですし、DXではないかと思っております。またアドビには、組織の成熟度を計る、デジタル成熟度評価のフレークワークがあります。ご希望があれば、ぜひお問い合わせください。」

アドビが提唱するDx。ビジネス変革してこそTransformationだ。